甲状腺の病気について

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甲状腺の病気

甲状腺ホルモンの量が上下することによって、引き起こされる病気の代表的なものが、以下の通りです。

甲状腺機能亢進症
(甲状腺ホルモンが増える病気)
バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎
甲状腺機能低下症
(甲状腺ホルモンが減る病気)
橋本病(慢性甲状腺炎)
甲状腺腫瘍
(甲状腺にこぶ、しこりができる状態)
腺腫様結節、腺腫様甲状腺腫、甲状腺がん

なお、バセドウ病の場合には、飲み薬・アイソトープ(放射線)・手術の3種類の治療がありますが、当クリニックで行っているのは飲み薬による治療のみなります。

バセドウ病

甲状腺ホルモンが過剰に作られる病院で、20−30歳代の女性に多く見られます。症状としては動悸、眼球突出、甲状腺の腫れが有名ですが、多汗、暑がり、イライラ、疲れやすい、体重減少などもあります。高齢者では典型的な症状がでずに、食欲がない、活気がないといった場合があります。

原因

体の免疫に異常がおこり、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを作らせる自己抗体(TRAb)ができ、無秩序に甲状腺ホルモンが作られる状態となります。

検査

血液中の甲状腺ホルモン(FT3、FT4)の量が過剰であり、TRAbが陽性であれば、ほぼバセドウ病と診断がつきます。

治療法

内服療法、アイソトープ治療、手術の3つの治療法があります。それぞれの長所や短所、患者の生活・年齢などを考慮して治療法を選択します。日本では、最初は内服療法を選択する方が圧倒的に多いです。

治療法 長所 短所
抗甲状腺薬 ・知識と経験が必要だが、特別な設備・技術がいらない
・日本ではまずは内服で開始することがほとんど
・重篤な副作用がでる可能性がある
・寛解まで時間がかかることが少なくない
・再発率が高い
アイソトープ(131I)治療 ・副作用、合併症がない ・まれに眼症が悪化
・治療前の抗甲状腺薬の中止、ヨード制限が必要
・治療後に甲状腺機能低下症になることが多い
外科的治療 ・手術をした時点で寛解がえられる
・再発率が低い
・術者の技量で治療成績、合併症の発症率が変わる
・手術創の瘢痕
・甲状腺機能低下症となることがある

橋本病(慢性甲状腺炎)

橋本病(慢性甲状腺炎)

甲状腺に慢性的に炎症が起きている病気です。40歳以上の女性の10人に1人がこの病気といわれています。この病気の約80%は甲状腺ホルモン値が正常に保たれており、その場合は治療は不要です。20%の方で、炎症の進行により甲状腺ホルモンが作られなくなり甲状腺機能低下症となります。甲状腺機能低下症になると、気力がない、顔や手足がむくむ、体重増加、寒がりになる、便秘などの症状が出てきます。
またヨードを多く含む食品(昆布、昆布だしなど)をたくさん摂りすぎると甲状腺ホルモン値が低くなることがあり注意が必要です。

原因

何らかの原因で免疫に異常が起き、甲状腺に慢性的に炎症が起きている状態です。

検査

甲状腺エコーで甲状腺が腫れている、あるいは血液検査で甲状腺ホルモン値(FT3、FT4)が低値であることに加えて、TgAbあるいはTPOAbの自己抗体が陽性であれば橋本病と診断されます。

治療法

甲状腺のホルモン値が正常に保たれている場合は、治療は不要です。炎症が進み、甲状腺機能低下症がある場合は、甲状腺ホルモンの補充療法(チラーヂンSの内服)を行います。

無痛性甲状腺炎

何らかの原因で、甲状腺に痛みを伴わない炎症が起き、甲状腺が壊れる病気です。橋本病によく合併します。甲状腺が壊れる時、甲状腺の中に蓄えられていた甲状腺ホルモンが溢れ出すことにより、甲状腺機能亢進症となります。この時、バセドウ病と同じような症状となるため、しっかり鑑別することが重要です。無痛性甲状腺炎は、時間が経てば自然に改善していく病気のため、ほとんどの場合で治療は不要です。

亜急性甲状腺炎

甲状腺の腫れや痛み、発熱を伴い、甲状腺に炎症が起こる病気です。ウイルス感染が原因といわれていますが、はっきりとはわかっていません。炎症により甲状腺ホルモンが溢れ出て無痛性甲状腺炎やバセドウ病と同じような症状になります。治療は炎症を抑える薬を使用します。

無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎は、バセドウ病と症状が似ているため、病院・クリニックでしっかり診断してもらうことが重要です。

甲状腺腫瘍

甲状腺にこぶ、しこりができている状態です。良性と悪性があり、以下のようなものがあります。

良性腫瘍 腺腫様甲状腺腫、濾胞腺腫、のう胞
悪性腫瘍 乳頭癌、濾胞癌、髄様癌、低分化癌、未分化癌、悪性リンパ腫
機能性結節 プランマー病

甲状腺腫瘍の検査でもっとも有効なのは甲状腺エコーです。これで概ね腫瘍の状態を知ることができます。また、必要な場合は、これに穿刺吸引細胞診を行います。これは超音波を見ながら針を刺して甲状腺の細胞を採ってくる検査です。顕微鏡で採ってきた細胞を見ることで、良性や悪性の判断をします。

良性の腫瘍の場合は、6−12ヶ月ごとに超音波と血液検査でフォローアップします。
悪性と診断された場合は、手術可能な病院に紹介させていただきます。

甲状腺と妊娠

明らかな甲状腺の機能の異常がある場合、不妊症との関連や流産率の上昇が報告されており、妊娠を希望される場合は甲状腺機能を良好にコントロールすることが大切です。

不妊女性は甲状腺の機能の異常を有していることが多いことや、普通なら問題にならないような潜在性甲状腺機能低下症でも流産率が上昇する可能性が示唆されています。軽度の甲状腺機能低下症に対して甲状腺ホルモン補充療法をすることによって、妊娠率や流産率が改善したとの報告があります。

不妊治療をこれから開始する、あるいはしている女性には積極的に甲状腺機能異常の治療をすることが推奨されます。

当クリニックからのメッセージ

甲状腺疾患は女性に発症しやすいといわれています。「何か調子がおかしい」と思っていても、ホルモンに関する病気は、通常の健康診断ではわかりません。
「甲状腺の病気ではないか?」と疑わないと、わからない病気なのです。
「原因不明の熱が出る」、「だるくて、うつっぽい」など不調を感じる場合や、「家族に甲状腺の病気の方がいる」場合には、一度甲状腺外来を受診することをおすすめいたします。

「もしかしたら甲状腺の病気かも?」と気になったら、ご来院いただければと思います。

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