type1-diabetes
すい臓のβ細胞が何らかの原因で破壊されることにより、インスリンが分泌できなくなり発症するのが1型糖尿病です。自己免疫病の一つと考えられています。日本人では、全体の糖尿病の中の5~10%前後が1型糖尿病です。健常人と1型糖尿病の違いは「インスリン分泌があるかないか」ということになります。そのため1型糖尿病の治療は原則、インスリン治療であり、適切にインスリン補充をすることが最も重要です。さらに「生活にあわせてインスリンを打つ」ことにより、より良好な血糖コントロールを達成し、「生活の質(QOL)」を上げることができます。当クリニックでは頻回インスリン注射のほか、インスリンポンプによる治療も行っております。
典型的な1型糖尿病は、数か月の経過で急速に発症し、病状も急激に悪化するのが特徴です。感冒とおなじ様な症状をきたすことがあり、糖尿病を念頭においた検査で診断することが重要です。1型糖尿病では、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が急激に低下するか、またはほとんど分泌されなくなるため、高血糖になったり、血中のケトン体が上昇し、糖尿病性昏睡などを重篤な症状を引き起こします。
がメインとなります。
検査結果は数分で知ることができます。その日の血糖値、HbA1cの値を見ながら、治療方針を決定し、実際の治療に入っていきます。※1型、2型で検査の違いございますでしょうか。旧原稿の検査の部分をいれております。
1型糖尿病では、生きていくために必要なインスリンが絶対的に不足するため、基本的にインスリンによる治療が必須です。使用するインスリンの種類や投与する量・タイミングは、ひとりひとり違いますので、ライフスタイルによって適切に調整する必要があります。
以下には一般的に行われているインスリン療法をお示しします。
人の体には食事の有無にかかわらず常に少量のインスリンが分泌されています(基礎(Basal)インスリン)。また食事をすると、急激に貯蔵されていたインスリンが分泌されます(Bolusインスリン)。健常人の膵臓で行われる、このインスリン分泌を模倣して、インスリン注射をするのがBasal-Bolus療法です。 一般的に、毎食直前に超速効型インスリン、そのほか1日1回の持効型インスリンを組み合わせます。
欧米では以前より1型糖尿病の治療として多く導入されていましたが、日本でもここ数年で機械の進歩とともに導入が増えています。 インスリンポンプと呼ばれる機械を常に使用することで、基礎インスリンが自動的に皮下に注入されます。食事時には、手動で必要なインスリンをボタン操作で注入します。3日に1回ポンプの中身を交換する必要がありますが、頻回に針を刺して注射する必要がなくなるのが大きなメリットです。また、インスリン注射療法では血糖値が安定しない方もポンプ療法で安定することがあります。
当クリニックで採用しているインスリンポンプ
1型糖尿病において食事制限は必要ありません。また食べてはいけないものもありません。ただし、過食すれば太りますし良好な血糖コントロールを維持するのが困難になります。1型糖尿病の食事療法において必要なことは、それぞれの食事・食物の血糖値に対する影響をよく知ること、そして適正な体重を維持することです。食後の血糖値に最も影響を及ぼすのは、食事の炭水化物の量であるため、当クリニックではカーボカウントをまずは知ってもらい、1型糖尿病の血糖コントロールに利用しています。
アボット社のFreeStyleリブレを使用することで、血液を採取することなく容易に血糖値を確認することができるようになりました。これにより低血糖リスクを軽減したり、高血糖時にすばやく対応することが可能となり、血糖コントロールが改善する患者が増えています。このシステムの利用には、自己血糖測定をしっかり行うことが必要となっています。
当クリニックからのメッセージ
1型糖尿病治療の目標は、「血糖値を下げること」ではありません。自分の生活の質を保ち、「長く健康的に過ごせること」が目標です。そのためには、「自分の生活にインスリンを合わせていく」といった考え方が重要です。適切な食事療法(食事制限ではありません)・運動療法を組み合わせ、健常人と変わらない「普通の暮らし」をすることが1型糖尿病治療の目標であると考えています。
信頼できる医療を
1型・2型糖尿病、甲状腺疾患治療のことなら上野浅草通りクリニックまで
当院は「初診完全予約制」です
当クリニックの専門分野である「糖尿病」「甲状腺の病気」「高血圧」「高脂血症(脂質異常症)」の方、また健康診断でそれらの病気が疑われる方は、予約を電話でおとりしております。(但し土曜日は現在大変混み合っているため、「糖尿病」「甲状腺の病気」のみに制限しております。)その他の一般内科は現在受付を停止しております。